和名 ホクリクヒメハナカミキリ
学名 Pidonia(Pidonia) jasha S.et A.Saito, 1989
名称由来  
分布 本州(富山、石川、福井、岐阜と京都の北部)
寄生植物 不明
標本処理 亜硫酸? 酢酸エチル〇 
length 6.5-10.0mm  同定のヒント 幼虫

2015年6月6日 京都府北部

触角先端数節が白い







背面は黒色,各鞘翅には肩部から後半に掛けて太い黄色縦帯があり,その後方には幅広い黄色横帯を持ち,

時に縦帯と横帯は接触し,各鞘翅の横帯も接触する時がある.

♂は♀より黄色帯が発達し,全体の色彩イメージは明るい.脚は黄色いが,中・後腿節の先半分は黒い.ナガバヒメハナカミキリに近似するが,

♀は触角が鞘翅端を越えず,普通は触角先端数節が白い.♂は腹面胸部及び腹部が黒いが変化する.

一方,トウホクヒメハナカミキリにも類似するが,福井、本県にはトウホクヒメハナカミキリは分布しない.本県を含む北陸地方のみに分布し,

その分布域の北側にはトウホクヒメハナカミキリがおり,それ以外ではナガバヒメハナカミキリがいる.

つまり,この3 種は置き換え種と思われ,本県にはホクリクヒメハナカミキリのみが分布することになる.

本県では丸岡町,大野市,今庄町,敦賀市から記録されており,低山から山地帯に広く分布し,個体数も多い.

5 月から6 月に発生し,梅雨半ば頃には姿を消す.自然度の高くない林にも生息し,花に来集する.広葉樹の細い枯枝で成育する.
本種はSaito,S.and A.(1989 )によって,新種記載されたもので,今庄町夜叉ヶ池が基準産地.種小名jasha は“夜叉ヶ池”から因んだものと思われる.

出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」

(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)

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