クロキクスイカミキリ
Stenostola nigerrima (Breuning, 1946)
本種の問題点
露木氏によれば日本に唯一現存する丹沢山産の1雄はBreuning博士が記載したクロキクスイカミキリとは違う可能性が高い。
高桑氏によれば日本産大図鑑のクロキクスイカミキリの写真(丹沢山産)は和名クロキクスイカミキリとは別の未知種の可能性が高い。
丹沢山産の1雄:
1935年6月23日に長谷川仁氏が神奈川県丹沢山で採集。伝聞情報では採集場所は札掛付近
これまでの経緯
Breuning博士が1946年に栃木県日光中善寺の標本をもとにアオキクスイカミキリとクロキクスイカミキリを同時に記載した。
記載時のクロキクスイカミキリの属はクロキクスイカミキリ属(Stenostola)ではなくてキクスイカミキリ属(Phytoecia)で書かれた。
そのタイプ標本は日本にはなく、パリ科学博物館にある。この標本を検視した日本人はいない。
1960年に大林一夫氏は丹沢山産の1雄に基づいて和名クロキクスイカミキリをキクスイカミキリ属(Phytoecia)からクロキクスイカミキリ属(Stenostola)へ移した。
他にクロキクスイカミキリと同定された東京都小仏峠、神奈川県中央林道産はアオキクスイカミキリの誤同定となった。
参考文献:
神奈川昆虫談話会の連絡誌「花蝶風月」90、91号「アオキクスイ物語」
再録:月刊むし(376号) 「アオキクスイ物語」
日本産カミキリ大図鑑 講談社
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